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A〜Dの、4パターンあるうちのDパターンを観てきました。

チギコマ主演。二人とも6役に挑戦するという観る側からは贅沢な、演じる側からは大変というか試練な感じ。全パターン観たかったけど、自由になれる時間が限られているので、せめて一回だけでもってことで。(Dパターンは、2回分取れたけど、一回は夫にあげました。20日のです。)

始終笑えた「愛ふたつ」、しんみり人情の「花かんざし」、平家の落人兄弟の苦悩と哀しみの舞踊劇「夢のなごり」の三つの人情噺を早霧せいな、沙央くらまの役替わりで。


作・演出:谷正純

『愛ふたつ』
上方落語「小間物屋小四郎」を基にした喜劇。

<キャスト>小四郎:早霧せいな(AC)/沙央くらま(BD)、三五郎:沙央くらま(AC)/早霧せいな(BD)、お咲:舞羽美海、甚兵衛:汝鳥伶、佐々木信濃守(西町奉行):飛鳥裕、鈴鹿峠の茶屋の婆ァ:大凪真生、浪江(伊勢屋藤右衛門の妻):大月さゆ、伊勢屋藤右衛門:香綾しずる、喜六(長屋の住人):凜城きら、米やん(三五郎の隣人):彩風咲奈、清八(長屋の住人):帆風成海/ほか

<ストーリー>大坂で小間物屋を生業にする小四郎は、鈴鹿峠で、山賊に身ぐるみ剥がれた小間物屋の大店を営む伊勢屋藤右衛門を救い、その際自分の着替えの着物を与え、かならずお礼にいくという藤右衛門の言葉に従い、自分の住まいと名前を書き留めたものを渡した。ところがその藤右衛門が流行り病で、土山の宿で死んでしまう。死んだ男の身元は小四郎と誤解され…。世話好きの家主甚兵衛のすすめでお咲は、小四郎の従兄弟三五郎と再婚して…。
そんなところに江戸から小四郎が帰ったことから、お咲はどうしたらよいか甚兵衛のところに駆け込み、困った果てに奉行のおさばきを願い…って展開です。

声に出して、笑ってみてました。落語を知らなくても奉行のナイスなお裁きは、よめたけどね。

長台詞にびっくり!主人公の小四郎より、茶屋の婆ァや三五郎の方が、量が半端なかった気がします。主役の二人(チギコマ)に至っては、小四郎と三五郎の両方の役作りと台詞やフリ、これは大変だわぁ〜と、つくづく思いました。

三五郎のお酒のシーン、笑わせました。私が観た時はチギちゃんだったけど、酔いがまわってくだをまくサマが面白かったです。

それと、茶屋の婆ァの大凪真生は、すごかったです!よくやったな〜と感心。

ミミちゃんは、可愛らしいけど、びょん!と飛び上がるところがあった記憶が。いやぁなかなか、観れないものをみた感じでしたよ。

さゆさんは、最後にしっとり美人で登場でした。

鈴鹿峠には、確かに「山賊茶屋」って屋号の店があったように記憶してます。土山とか坂下とかも、あの辺車で通ると、確かにあるし。
幕間はさんで

『花かんざし』

<キャスト>/伊左次(浅草杉田屋の錺師):早霧せいな(AC)/沙央くらま(BD)、吉蔵(浅草の岡っ引き):沙央くらま(AC)/早霧せいな(BD)、お菊(浅草杉田屋の娘):舞羽美海、源助(少し前自分の店や財産を失い、今は船頭。三回に一回は舟をひっくり返さなくなった):汝鳥伶、弥次郎兵衛(旅人):大凪真生、お静(船宿笹屋の娘):大月さゆ、喜多八(旅人):香綾しずる、巳之助(伊左次の弟弟子でお市の許婚):凜城きら(A)/彩風咲奈(B)/帆風成海(CD)、お市(伊左次の妹):透水さらさ/ほか。

<ストーリー>浅草簪屋杉田屋の錺師伊左次は、杉田屋の金を盗んだ咎人として、江戸十里四方所払いの刑を受け、六郷の渡し場にきていた。お裁きが下った今でも岡っ引きで幼なじみの吉蔵は、伊左次が盗みをはたらいたとは信じることができなかった。

人の罪をかぶり、自分を犠牲にして妹達の幸せを守ろうとした主人公と、幼なじみ達の心温まる人情話。

伊左次は、ほとんど喋ろうとせず…。格好いいコマちゃん。吉蔵は、江戸っ子らしい感じの威勢のいい岡っ引きで、幼なじみの伊左次を気遣う様子のチギちゃん。吉蔵の台詞も長台詞なので、こりゃまた主演二人は大変だ、覚えることだらけと思いました。一ヶ所か二ヶ所つっかえてたけど、それにうろたえた表情をみせずで、なんかホッとしました。
ミミちゃんは、綺麗な町娘で、さゆさんは、はじけた感。

『夢のなごり』

<キャスト>伊予三郎忠嗣(平家方の武士):早霧せいな(AC)/沙央くらま(BD)、伊予四郎信嗣(平家方の武士):沙央くらま(BD)/早霧せいな(AC)、常盤木姫(平重盛の娘):舞羽美海、門脇刑部太夫(平家方の武士):汝鳥伶、太郎兵衛(保内村の庄屋):飛鳥裕、阿波次郎景季(平家方の武士):大凪真生、柚木(平家方の女房):大月さゆ、朽木源左衛門(平家方の武士):香綾しずる、平有盛(平重盛の四男):凜城きら、伊予八郎直嗣(平家方の武士):彩風咲奈(AC)/帆風成海(BD)、お雪:花瑛ちほ(AC)/妃桜ほのり(BD)/ほか。

<ストーリー>
源氏の追討を逃れ、平家の落人が隠れ住む森。

壇ノ浦で常盤木姫とその弟有盛を救出した平家の武士、伊予三郎忠嗣、伊予四郎信嗣兄弟も、姫達と共にその森で生き延びていた。
吹雪の中に舞う、白鷺を源氏の白旗と見誤った伊予八郎直嗣は、源氏が襲撃してきたと報告して…。

有盛と常盤木姫を救うため、二人の身代わりと家来、達は自ら死んでいった。
伊予三郎忠嗣が自害しようとしたその時、逃がしたはずの常盤木姫が現れ、共に死を選んで…。

源氏の白旗が白鷺だったと知った伊予四郎信嗣と平有盛…。あまりにも悲しい落人の運命。
それを歌と舞踊で美しく哀しく見せていました。

うーん、哀しすぎるお話…舞い散る雪がはかなくて。

最後に舞台中央に立つチギちゃんが、美しかったです。決意のようなものも感じたり…。

ドライアイスが、舞台から流れてきて、足元がすーすーしました(笑)

三つのお話の中、主人公が客席に現れるのが一回、観客席降りが一回ありました。私は、伊予三郎忠嗣コマちゃんの客席降りが近くで観られました(^^)v
コマちゃん、格好いい☆

舞台挨拶は、主演二人。
まず、コマちゃんが、なかなか流暢に「本日はご観劇有難うございました。あと二日、皆様の拍手や笑い声を支えに頑張ります」っぽいことをいってました。一字一句覚えているわけではないので、こんな感じの話ってことで^ロ^;
チギちゃんは、コマちゃんと同じようなことをいって…「覚えては不安になり、大丈夫かなと思ったらまた不安になりの繰り返しですが、皆様の笑い声や拍手で最近は楽しく感じるようになってきました。」みたいな感じで、ちょっとつまって、「えー長くてすみません」で、笑いをとり、なかなか可愛らしかったです。


いつもバウ観劇で感じるのは…観客側がディープなファンということ。
出演者の縁者や劇団関係者、ファン会はもちろん…ツワモノぞろいw(°O°)w

今回は、両隣の方々とお話してきましたが…。おひとりは、タニマチなおじさまで、有名娘役(伏せておきます、いいたいけど…我慢しとく)さん達をお食事に誘った際のお写真を何枚も拝見させて頂きました。す、すごいっ!
そしてもう片方の奥様も色々ご存じで、理事長ご夫妻が観劇されているのをおしえて下さって…。「この演目何回目?」と訊かれ、「一回目」と答えるのが恥ずかしいくらいでしたよ^ロ^;
あと、どこかの宝塚受験のためのお教室の先生らしき方とか…。
私の周囲だけでもそんな感じだったんだから、観客席のあちこちで、こんなふうだったんだろうな〜と。

観客は、若い出演者を温かい眼差しで見つめて、育てている感じにみえました。
(2009年11月27日金曜日14時30開演を宝塚バウホール6列目で観劇)

今回は、バウのみ観劇。

帰宅したら、20時半でした。夜、肩や背中にベタベタ膏薬貼りつけました。道中が過酷すぎですなぁ〜慣れたとはいっても…。